First Love ~君がくれたもの~
ミリア

「兄さま!街に出たいな」

ここはウルディアにある首都スーザン

第一王女であるミュリアナス・フォードは書斎で本を読んでいた兄マクシミリアン・フォードの邪魔をしにきている。

「今いいトコなんだ。後でなミリア。」

愛称で呼ばれた少女は軽くあしらわれた事に一瞬ムッとし、机に手をつき兄の顔を覗きこんだ。

「良いじゃない!そんなつまらない本いつでも読めるわよ!!」


つまらな本と言われた挙句にとりあげられ、ためいき混じりにやれやれと声が聞こえてきそうな視線をミリアに向けた。

「またおしのびかい?」

マックスの言葉にミリアは小さな舌を出して、悪戯っ子の様な笑顔でこたえた。

兄馬鹿というか、マックスはミリアの笑顔に弱い。

笑顔に限らず、泣き顔にしろ、ころころ表情の変わるミリアに結局いつもほだされてしまうのだ。


二人はそっと城の門へと足を運んだ。

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