法螺吹きテラー


「始めは叫んで、叩いて、
助けを呼んでいた生徒。

だけど夏の暑さと、疲れ。

それらに負けて、
眠ってしまったんだ。

そして気づかずに、
教師は鍵を閉めてしまった。

……どうなるか解る?」



「……真夏ならかなりヤバいですよね」

想像は容易だ。



「ああ。
そのまま閉じ込められた生徒は息絶えた。

そして今も、ロッカーに潜んで、
閉じ込めた生徒に復讐しようと
出られるチャンスを待っているんだ」


「……開けられれば
出られるんじゃないですか?」


今までに1度ぐらい、
特に古いんだから、廃棄されたとして
捨てる時なんか、開けられていそうだ


「そう簡単にはいかないだろう。
だって、彼には体が無いんだし」



……そんな事、今言わないでほしい。


閉じ込められた生徒は、
体を欲しがり、
誰かに憑りつきたがっている。

そういう話なのだとしたら。



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