法螺吹きテラー

「この2人はキスが出来ない。
だからこの絵の前でキスすると、
嫉妬して襲い掛かってくるんだって」


「……なんですか、その話」


酷いにも程がある。


「っていうか、
俺じゃなくてもよくないですか？」

どうして、俺？


疑問に思い、口にすると、
いや、と2人は首を振った。


「佐野君じゃなきゃ駄目なの」

そう言って見つめてくる神花先輩は、
やっぱり美人さんだ。

だけど、そう言われても疑問は残る。


「……どうしてですか？」


その問いに、また安藤先輩が答えた。


「残念な事にね、
1人は未経験者じゃないと駄目なんだ」




………………。




「だから私の知ってる人だと、
君しかいないんだよ」


「俺の知ってる中でも、
佐野君しかいないんだ」


「……新手のいじめですか？！」




何これ、酷い。



というか、何故知ってる？！