STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
11―オレのもの 〜include 那智side〜
     ☆☆☆☆☆



知らせを受けた時、那智は
まるで足元の地面が一気に
崩れてなくなるような
感覚に陥った。



「それ――間違いないん
だろうな――…?」



電話口に尋ねる声が
かすかに震えている。



『間違いないよ。

ねぇ、絶対ヤバい状況だよ。

那智、あなたあの子に
何を――?』



「名前をもう1回教えろ!」



問いかけをムリヤリ遮って
那智は大声で叫ぶ。


ここは廊下で、ドア一枚
隔てたすぐ隣に仕事仲間が
いるなんてことも、気に
する余裕はなかった。


_
< 303 / 396 >

この作品をシェア

pagetop