*初恋*
「2人にこのお店の
バイトをやって欲しいのっ」
ば……バイト?!
突然の言葉に驚いて
胡桃方をちらりとみると
プルプル震えるくるみ様。
「………そんなことだろうと
思ったわ……。
最近人出が足りないって
ボヤいてたものね。
…………けどっ」
いったん言葉をきったが
また間髪いれずに言う。
「なんで今日友達になった子まで
巻き込もうとするのよっ」
胡桃は
もう付き合ってられないという
表情で美沙稀さんをみると
わたしに向き直って
「ほらっ
蜜柑っ帰るわよ。」
そう言って
わたしの腕を引っ張った。
「えっ?!ちょ………
いいの?!」
戸惑うわたしの言葉は
耳に入れずに
胡桃はズカズカ歩いて行く。
「とりあえず
待ってるわよーんっ」
そんな私たちの様子を美沙稀さんは
楽しそうに眺めながら
手を振っていた。