キミへ

そこであたしはピタリと動きを止めた。



「? 杏菜?」

「千嘉…、後ろ」

「へ?」



千嘉が振り返ったと同時にポンと肩に手が置かれる。



「はい、千嘉捕まえた」

「れ……怜衣…っ」



すごい笑顔で千嘉を見てる怜衣。

そんな怜衣を見て青ざめる千嘉。



「………ごめん千嘉!!」

「えっ!? 杏菜!!?」



マジごめんホントごめん。

でもその怜衣は怖すぎるわ。



「うわぁ…すっごい罪悪感」



ここまで来たら何がなんでも逃げ切りたい!

怜衣が捕まえたのは千嘉だから…、次の鬼は千嘉じゃんっ!



(千嘉に勝てる気はしないな…)



早いしすばしっこいし早いし……。

雅は誰捕まえたんだろ……。



「杏菜」



そう聞こえてビクッとしてしまった。



「あ…、玲音か…」

「なにそれ。俺じゃ残念?」



ちょっとね。とは言わない。てか言いたくない。



< 175 / 203 >

この作品をシェア

pagetop