街角トレイン



なんでキキくんがここに…!?



「ら…ララちゃん!?」
「なんだぁ♪二人共、知り合いなの?」
「エミさん!有名な作詞家ってまさか…」
「俺だけど。何か?」



どうしよう…!



「エミさん!
違う作詞家さんに
お願いできませんかね?」
「ごめんねー…社長命令なの」



嘘でしょー!?



「んじゃ、後はお二人で♪」
「ちょっ、ちょっと!エミさん!
どこに行く―…」



あぁーあ。行っちゃった。



この気まずい雰囲気…
どうしたらいいのよ!



「ララちゃん…なんでここに?」



先に沈黙を破ったのは
キキくんだった。



「キキくんこそ…なんでここに?」
「そっちから言えよ」
「私は…カラオケボックスで
スカウトされて…キキくんは?」
「俺は…親父がここの社長やってて
俺に作詞家やってほしいって
頼まれてるから」
「へぇ〜…。それで…
何話せばいいの?」
「なんか…俺が書いた歌詞
読んでもらえってのが…社長命令」
「そっか。見せて」



私は、キキくんから
歌詞カードを受け取った。



最初に目に留まったのは…



+--+--+--+--+--+--+--+



ある女の子に恋をした男の子は
彼女を振り向かせるために
自分の想いを伝え続ける。
でも彼女には自分以外の
好きな人がいて…
最後には
自分の恋を犠牲にして
彼女の幸せを願い…諦めた。



+--+--+--+--+--+--+--+



ストーリー。



ここから歌詞が生まれる。



素敵なストーリーだと思った。



私は決めた。






「私…この歌を歌いたい!」






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