薄桃の景色に、シルエット。
「ま、今はまだまだ可愛い妹ってとこだな」

「え?」

「要は、お前がもっとしっかり自立して成長して見せたら、俺の中のお前の印象も変わるかもしれないって話だ」

「じ、自立……そんなぁ!」

「俺はお前を忘れない。だから、しっかり勉強に勤しめ。いいな?」

「っ、はい…!!」


 先輩と私と、いつかの約束。卒業が別れじゃない。

 そうして逢えた時、私はどれだけ大人になれているだろう。


「お金貯めて、逢いに行きますね」

「馬鹿言え。そんな金があるなら自分の頭の為に使え。もったいない」

「えぇ?! じゃ、どうやって成長した姿を見せるんですか!」

「連絡くれたら、見に行ってやるよ。今から期待しとくから、しっかり成長しろよ」

「はいっ。楽しみにしてて下さいね!」

「じゃ、今すぐテスト勉強しろ」

「えぇー」

「……やっぱりお前は俺をだしにサボりたかっただけか!」

「…………えへ」

「前言撤回だ。お前の事など忘れてやる。成長もミジンコ以下の期待しかしない」

「そ、そんなぁぁぁぁぁ!!!」


 目標。ううん、誓い。いつか絶対、先輩の一番大切な人になってやる。

 覚悟してて下さいね、先輩。

 私、一度思うとそれに向かってがむしゃらに頑張る質なんですから。


「よし、頑張るぞー!」

「切り替え早いな、お前」

「長所です!」

「確かに。……頑張れよ」

「はいっ!」


* * * E n d * * *


 これは先輩に恋してた先パイへ贈った小説です。

 実らずに終わってしまったのですが、またいつか先パイが素敵な恋をする事を祈りつつ移転掲載致しました。

writing by 09/10/04
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