彼氏Get! アイリス・須川愛里のひと夏の恋
「こっちは色々と忙しいんだよ? 今夜中に渡しておかないとダメなの。雅治だって早く資料を手にしないと、レポート提出が間に合わないでしょう?」


「何だかかんだと言いやがってよ。本当は飲み会に来たかったんだろうが?」


「ピンポーン♪ 半分は当たってるー」


「じゃあ、あとの半分は?」


「雅治の別カノを見に来たの」


「見に来た? 何で見に来たんだよ?」


「決まってるじゃなーい? 同じ女として気になるからよ」


「何が気になる?」


「どんな女の子なのか? 私よりイイ女の子なのか? 色々と気になっちゃうの」


 雅治は呆れた様子で愚痴る。


「そんな事で。くっだらねー」


 女の子はムッとした表情を見せた。


「くだらないなんて、言わないでね。女の子にとっては、深刻な事なんだから」


 そう。


 彼女の言うように深刻な事なのだ。


 雅治って、どうやら女の子の微妙な気持ちが理解出来ないのかも。


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