LOVE・GAMELY -恋愛遊戯- (全199話)
■温室
永い悪夢から救い出すかのように、聞き慣れた声が響く
『…くん… 真中くん』
『…―ん…』
『真中くん! 大丈夫ですか?!』
奈穂…
最近は悪夢の後、奈穂がいる事が多い
そうすると不思議と呼吸も落ち着くんだ
『うなされてましたよ? 恐い夢でも見たんですか?』
『いや… 大丈夫…』
まだ自由のきかない体を起こして時計を見るといつの間にか放課後になっていた
『…ってか何で奈穂が?』
『あ… 1組の子から真中くんが授業に出てないって聞いて…』
奈穂は優しく笑うとベッドに座る
また「心配」してくれたんだ
こんな男に…
馬鹿で優しい奈穂…
俺は奈穂の手を引いて抱きしめた
『俺… 奈穂の子供になりたかったな…』
『真中くん…?』
奈穂の胸元に顔を埋める
温かくて柔らかくて…
母親ってこんな感じかな?って思った
奈穂の育てた子供は素直で、純粋
決して俺みたいな人間には育たないだろう
そう思い目を閉じる
と同時、奈穂のか細い腕が俺の頭を抱きしめた
『あの… 母親にはなれないですけど… 家族にならなれますよ?』
意味不明の台詞
つい笑っちゃったよ…
『…それプロポーズ?』
『そ、そんなんじゃッ…』
顔を真っ赤にして弁解する奈穂が可愛くて、そっとキスをした
『ねぇ… 今日、奈穂の家に行っていい?』
『え? あ、はい…』
暖かく調整された部屋
汚れなき綺麗な水
何不自由なく温室で育ってきた美しい花
虫に喰われ穴だらけの雑草は君を遠くで見てた
憎くて妬ましくて
そして悔しくて…
自分にないものを持ってるから気に入らない…
それは俺と奈穂に当て嵌まる
気に入らないから罵倒する
でも本当は、俺も温室へ入りたかった…
永い悪夢から救い出すかのように、聞き慣れた声が響く
『…くん… 真中くん』
『…―ん…』
『真中くん! 大丈夫ですか?!』
奈穂…
最近は悪夢の後、奈穂がいる事が多い
そうすると不思議と呼吸も落ち着くんだ
『うなされてましたよ? 恐い夢でも見たんですか?』
『いや… 大丈夫…』
まだ自由のきかない体を起こして時計を見るといつの間にか放課後になっていた
『…ってか何で奈穂が?』
『あ… 1組の子から真中くんが授業に出てないって聞いて…』
奈穂は優しく笑うとベッドに座る
また「心配」してくれたんだ
こんな男に…
馬鹿で優しい奈穂…
俺は奈穂の手を引いて抱きしめた
『俺… 奈穂の子供になりたかったな…』
『真中くん…?』
奈穂の胸元に顔を埋める
温かくて柔らかくて…
母親ってこんな感じかな?って思った
奈穂の育てた子供は素直で、純粋
決して俺みたいな人間には育たないだろう
そう思い目を閉じる
と同時、奈穂のか細い腕が俺の頭を抱きしめた
『あの… 母親にはなれないですけど… 家族にならなれますよ?』
意味不明の台詞
つい笑っちゃったよ…
『…それプロポーズ?』
『そ、そんなんじゃッ…』
顔を真っ赤にして弁解する奈穂が可愛くて、そっとキスをした
『ねぇ… 今日、奈穂の家に行っていい?』
『え? あ、はい…』
暖かく調整された部屋
汚れなき綺麗な水
何不自由なく温室で育ってきた美しい花
虫に喰われ穴だらけの雑草は君を遠くで見てた
憎くて妬ましくて
そして悔しくて…
自分にないものを持ってるから気に入らない…
それは俺と奈穂に当て嵌まる
気に入らないから罵倒する
でも本当は、俺も温室へ入りたかった…