蒼空Letter

そんなあたしを一気にそこらの女子高生に戻す言葉を明日香が言った。


「ルウコ、次の授業楽しみだね」


ニヤニヤと笑う明日香。


「え!?・・別に楽しみにしてないよ。たまたま一緒なだけだもん」


「えー?人に探り入れさせておいてよく言うよね。『高柳 蒼』の事」


「ちょ・・!!声デカイ!!静かにしてよ!!」


慌てて明日香の口を塞ぐ。


次の授業は選択教科。

あたしの選択は音楽。2時間ぶっ通しで行われるこの授業は音楽教室でただ音楽にまつわるDVDを見るってだけのやる気ゼロの授業。

あたしは4組。『高柳 蒼』(たかやなぎ そう)は3組でこの授業を選択している。

2クラス合同のこの授業があたしの1週間の楽しみ。

しかも!毎週席はくじ引き!!ここが重要!!



「今日こそ隣になれるかなー?愛しの高柳くんと」


「くじ運悪いから、あたし。せめて近くがいい!同じ空気吸いたい」


ガッツポーズで意気込むあたしを呆れた顔で明日香が見る。


「世の男子が泣くわ、その台詞。学校一の美女、柏木 流湖はごく普通の男子生徒と同じ空気吸いたいとガッツポーズ。引くね、その行動」


「だから、あたし学校一の美女じゃないって!」



何であたしの肩書きは『学校一のモテ女、柏木 流湖(かしわぎ るうこ)』なんだろう?


告白って2回くらいしかされた事ない。しかも3年の先輩。


もっと呼び出しされて告白されているコ、いっぱいいるのに。


あたしの肩書きは確実に変だと思う。
< 3 / 427 >

この作品をシェア

pagetop