君がくれた23年

1.退屈な日々

ピピピピピピピ・・・・・
大きな住宅が立ちならぶ中のひときわ大きな家。
その家の二階のある部屋で、目覚まし時計が7時をしるしなり響いていた。
「・・・ん~。うるさいなぁ」
寝ぼけた声でつぶやき、目覚まし時計をとめたのは「奈宮満里」。
世界的有名なブランド会社のトップにたつ奈宮家の一人娘だ。
満里はまだ半分寝ぼけたまま制服に着替え、軽くメイクをする。
金色の髪は綺麗なストレート、そこいらの子より一回り二回りも整った顔立ち、そんな完璧といっていい少女はため息を一つつき学校鞄を持ち部屋を出た。

1階におりた満里はリビングには向かわず、まっすぐ玄関に進んだ。
玄関に座り、靴をはいていると、
「満里、お前は親にあいさつもできんのか!まったく・・・。
 毎日どこへ行ってるかは知らんが、少しは勉強でのしたらどうだ?」
ふりむいた先には父親がたっていた。
「わかってるよ、うるさいなぁ・・・。
満里はそう冷たくいいはなって外へでた。
「なんだあの態度は・・・。」
ドア越しに父親の声が聞こえた。
親だってわかってるはずだ。
満里は超がつくほどの有名中学校の一年生だ。
こんな身なりをしているが、成績だって学年トップだ。
「・・・・・。
親と喧嘩なんて毎日のこと、学校にもほとんどいかず、毎晩どこかへ出歩く日々・・・。
何もない。ただただ退屈な日々。
「・・・はぁ」
満里はもう一度深いため息をつき学校とは真逆の方向に向かった。
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