黒猫おうじいかがですか?




 「はぁ?んなの知らねぇよ」


 彼にあたしの思いは
 伝わらなかったんだね


 「あんたみたいな最低野郎に
 陽菜はもったいない」


 ヨルは言い捨てると彼に
 背を向け玄関に向かった



 ヨルの肩越しに小さく
 なっていく彼の後ろ姿に
 いつか本当の愛を
 見つけられますように
 と祈った


 どんなに酷いことをされても
 一度は愛した相手だから




< 104 / 179 >

この作品をシェア

pagetop