黒薔薇と白雪
第一章 -黒薔薇と印-


私は気付くと部屋にいた。
抱き締められたときに移ったのだろうか。
薔薇の香りが微かに香る。

制服には血がついていた。白のブラウスに、真っ赤な血。落ちなかったらどうしよう。


首の痛みは、もう無い。
けれど触れると、小さな穴が2つ。きっと牙の跡。



"約束は守った。その印が証だ"



ー……約束とは何だろう。それに印ってー?

2つの疑問がぐるぐると回る。
あの人ー……魁蓮さんはきっと吸血鬼。だから私の血を吸った。

けど、この時代ー……世界に吸血鬼になんているの?


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