100回ありがとう



先生と別れたあと、
アドレス帳をまじまじと
見つめてしまう。



“星野章吾”




その名前がわたしの携帯に
刻まれている。



特別ってことなのかな…?

それともちょっと仲の良い生徒には
携帯くらい教えてるかな…?



まるで恋する少女みたいに
妄想に気持ちを馳せる。



~♪


急に携帯のメール着メロが鳴って
すぐに携帯を手に取る。


『親御さんは心配しなかったか?
今日はちょっと頑張らせすぎたな。
明日も補習、サボんなよ。星野』




先生からのメール。
初のメール。


シンプルさがもう
先生らしくて
わたしは気持ち悪いと知りながら
メールを保存した。



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