緑茶カーテン



"前から気になってた"




その言葉を男子に言われてドキッとしない乙女が居るだろうか。


「そ、それは、どういう意味で……?」

期待したのも束の間、ハッとした目の前の茶髪メガネ君は


「違う違うっ!そういう意味じゃなくって……」

「柊先輩ったら……すみません、長谷川先輩!そういう意味じゃなくて……」


ここの学校の美術部員は「そういう意味じゃなくて」が口ぐせなのか。

と、言うか。

…………なんだか舞い上がった自分が恥ずかしい。
仕方ないじゃないか。乙女なら誰だってそうでしょ?


沙羅ちゃんの説明を聞くと

毎年恒例の「全国美術部コンクール」ってやつの、今年のテーマが"植物"らしくて。


でも植物の絵が得意じゃない空野君は

いつも中庭で植物をスケッチしてる私の絵を見て
いつ声をかけようか、と前から気になっていたらしい。



「緑さん、美術部じゃないのに絵が上手かったから驚いてしまって………アハ」

「そんな事ないよ!私なんてまだまだだし」

「そういえば私まだ、長谷川先輩の絵、見たこと無いです」

ただでさえ可愛い沙羅ちゃんに、スゲー甘い潤目で「見せてくれませんか?」と頼まれてしまったら

見せないわけにはいかなかった。


< 7 / 37 >

この作品をシェア

pagetop