kiss
ずっとずっと、同じだった。
お互いを意識しながら、お互いを待っていて、ようやく、今、二人は通じた。
「あ、あたしも……っ」
遠回りの、恋だった。
「好き」
あたしの未来に、あなたはいないと思ってた。
「秋継」
でも、あなたがいない未来も考えられなくて。
「大好き、ですっ」
今は、あなたとあたしの未来しか、見えない。
強く抱きしめられる、心地よさ。
温もり、匂い、溢れる幸せ。
「もう、離さない」
秋継の言葉に、また涙が一滴、こぼれ落ちた。