鎧―キミヲ守ル―
「はーい、お待たせ」



出された大盛り焼きそばは、2.5人前だろうか。

聖の焼きそばと同じお皿に山盛りだった。



「重いぃ゛ー…」



私は重たいトレイを持ちながら席に戻る。

そして、すぐに「いただきます」と、焼きそばに食らい付いた。



「おいひ」



「付いてる」



私は頬に付いたソースを聖に拭かれながら、一度も箸を止めずに食べる。



「カップル見たいだな」



準が私と聖を見て言う。

私は聖を見て、ニコッと笑う。

私が心を開くのは聖だけ。

私が捨てきれなかったのは、聖だけだった。
< 14 / 210 >

この作品をシェア

pagetop