鎧―キミヲ守ル―

―情報―




「ちょっ、痛い痛いっ!;;」



「やっと聞き出せたんだよ!」



後1週間で、夏休みを迎えるある日。

トイレに行こうとした私は、国見に音楽室まで拉致られた。

解放された右手。

手首を擦りながらヤツを見れば、辺りを気にしながら、白いポロシャツの胸ポケットから、四角く折り畳まれた紙を取り出した。

ドアの小窓から、誰が見てもバレないように、私の盾となるように立つ国見。

何を得たというのか、この男。

私は疑問符を頭に浮かべつつ、紙を開いた。

職員室からは、流失する事のない紙を。
< 207 / 210 >

この作品をシェア

pagetop