校舎の中で
「早かったね」




「おう‼


バイクで来たからな



またピザまん見てんの?



弥生ってそーゆーとこあるよな笑」





本当ハルはあたしのことをよく見てくれてる



ときに憎たらしいくらいに



「買ってくれるの?」


「しょーがねなー


ちょっと待ってろ」



面倒見がいい男


そしてあの容姿


だからハルって結構モテルんだよね


まーー


ハルもそれを知ってるから


女ったらしなんだよね


きっと今もたくさんの女が居るんだろう



「ほい


お目当てのもの


お前ん家に送ればいい?」



ちょっと悩む


きっと


お母さんは仕事に行ったからいんだけど



今は一人になりたくないし



でも…


「俺ん家来るかーー


久々に‼


この頃お前全然来ねーし


おばさんなら仕事行ってんだろ?」



コンビニを出てバイクの前で喋る



「そうしようかな」



「よっし‼


我が家にレッツゴー‼」



ヘルメットをかっぶてまたがると


すぐにハルはバイクを出した


久々のハルのバイク



バイクってすごく気持ちいんだよね


風があたって


ハルの背中はとても暖かくて気持ちくて


月がとてもきれいだ


まだ遅くないから道が混んでると思ったけど


あんま混んでないからスイスイ進む


冷たい風がホント心地い


「なんかさー


弥生と乗るの久々だなーーー」


風にかき消されながらも聞こえるハルの声


あたしも負けじと声を張り上げる


「だねーー


やっぱハルの後ろはいいねーー」


「だろーー


ちゃんとつかまってろーー」



********


「よっし


とーちゃーーく」


目の前には懐かしちょっと古い家があった








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