『金持ち心♀♂貧乏心』




「まだ、決まって・・・いないんです・・・あの・・・その」



美桜は舌打ちをすると、鞄を持って、椅子を机の下にしまった。




「じゃあ、適当に買ってきますわね。室井(むろい)」



「は、はいぃ!!」



クラスメイトというか・・・美桜のパシリ的な室井は、美桜の呼びにすばやく反応し、勢いよく立ち上がった。



それを見て、満足そうに美桜は「決まったら、私の携帯に連絡いれて?」と言い、手を振って、教室から出て行った。



「む、室井のおかげだ~」



「美桜さま、また一段と怖くなったよね。なんか冷たいというか・・・」



「花はあるのに、冷凍室に置いといたら、カチカチに凍っちゃった・・・っていう感じ?」


「よく分かんないけど、そんな感じ」




クラスの人達はいろいろと話をしていた。


それを影で美桜が聞いているとは知らずに・・・。








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