結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》

~洋貴side~

俺は濡れた唇を手の甲で拭い、常務室をノック。


「入りたまえ」


「失礼します…」


社長に白紙の決算報告書を出すなんてどこまで…舐めたんだ。たくっ。


「この決算報告書…白紙なんですが・・・」


俺は強気で言い放ち、常務のデスクに報告書をバンと置いた。



「君の名前は…知ってるよ…風の噂で…。京大のエリートで有能なプロの秘書…色んな社長の秘書となって渡り歩いてるんだろ?でも…それは表の顔に過ぎない…。影ではハッカーだったり、詐欺師だったりと悪メンだろ??」


「…あんただって……杏里の相続している祖父の美術コレクションの贋作を作り…闇のオーションで高値で売りさばいてるクセに…人のコト言える義理か?」





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