近くて遠い距離





「ね、田中さん。」



「え、ちょっと!いきなり!?……んっ、」




体をピッタリと引っ付けてきたと思ったら私の頭を強引に引き寄せてキスしてきた聖。



いくらなんでも早すぎる。



っていうか、欲求不満にも程がある。




「ちょっと!人が来る!」



「ここは来ないよ。」



「何でそう言い切れるの!」



「休日はここで煙草すってるから。」




聖の腕から逃げようとする私を逃がさない、とでもいうように聖は私の体をガッチリと腕の中に収める。




「盛んな…!」



「無理。白のノースリーブワンピースを来てくる田中さんが悪い。」



「だって暑いじゃん!」



「誘ってるようにしか思えねぇ。つーか、誘ってんの?」



「なっ!」




ニヤリと意地悪く笑う聖に顔が熱くなって何も言えなくなった。




「あー、図星?」



「違う!!」




固まった私をクスクスとでも笑いながら見つめてくる聖を軽く睨む。







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