あたしはアイツの彼女役!?
―テイクone―

隣の小井出水君

みなさんこんにちは。

わたくし、菊原 ひなたは今日、生まれて初めて、ラブレターを貰いました♪

15年間生きてきて初めてです。

少女マンガの様に、あたしの下駄箱に入っていたのです!!!

ところが、差出人の名前が何処にも書いていません……。

どうしましょう??

と、お嬢様風に悩んでいると………

「あっ!!そ……その、ら…ら…ラッブレタァーぼ……僕が…………かかか……書いたものなんだなぁ~♪」

「え??」

急に声を掛けられて戸惑いながらも声のする方へ視線を向けると………

視線の先に居たのは………

鼻息をハァハァさせながら「ひなたん……ひなたん……」と呟いている隣の席の小井出水龍君でした。

「あっ!!小井出水君だったんだね。名前書いてないから分からなかったよ。それじゃぁね」

そう言って教室に行こうと背中を小井出水君に向けたその時……

「ま……待ってるから」

「え??」

「お……屋上で……待ってるから」

そう叫ばれたあたしは、反射的に小井出水君の方に振り返って「わかった」と言ったのだった……
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