シャイニング・ジュエリー



芽衣には、言わなかった。言えなかった。


もう一つの、白雪姫を演じたかった“理由”。



「え~、でも嫉妬しちゃう!」



最後の劇だから、主役を演じたかったのは、本当。

役の中でも一番、白雪姫に強く惹かれたのも、本当。



ただ、大介くんが王子をやるから、白雪姫をやりたかったのも、本当のこと。




『何言ってんの!ただの演技だよ!』




……そう。


これは、ただの演技だから。
私はただ、白雪姫を純粋に演じるだけ。


それ以外のなんでもない。



< 11 / 52 >

この作品をシェア

pagetop