シャイニング・ジュエリー



大介くんが、王子様を演じている。

…いや。“王子様”になっている。



演技だとわかっていながらも、少しだけ動作を取り入れた大介くんの腕が。…視線が。


本当に、王子様みたいだったから。
本当に、愛しそうに白雪姫を見つめていたから。



思わず、顔を赤らめてしまう。



「私の口づけで、目を覚ましてあげよう。」




―…だって、私もこんな瞳で見つめられるんでしょ?



私ではない、“白雪姫”に対してだとは、わかっているけれど。


恥ずかしいセリフを王子になりきっているからか、いとも簡単に言ってしまう大介くんを見ると、胸が熱くなる。




< 17 / 52 >

この作品をシェア

pagetop