シャイニング・ジュエリー



大した距離なんか、走ってないのに。



「…菜摘は、可愛くてズルいよ。」



すぐに息を切らしちゃうぐらい、か弱くて。

やむを得ずやってしまったことなのに、周りが見えなくなるぐらい、傷ついて。



それぐらい、大介くんのことが大好きで。



『そんなことないよ…。』




そんな芽衣の方が、私よりも何百倍も可愛いじゃない。



「…そんなこと…っ、あるもん…!」



背中を向けていた芽衣が、ふいに私に正面になるように振り向く。


芽衣の目からは、ポロポロと涙が零れていた。



< 35 / 52 >

この作品をシェア

pagetop