好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
食べ掛けのアイスを、冷凍庫へしまう私に、母親から「病院、行くわよ」と軽くキレた。

逆らえば、あの大きな体で、体当たりしようとをされるかも知れない。

大人しく、スエットのまま、財布と携帯だけを持ってついて行く。



「馬鹿は風邪引かないのに。ひまわりの体、どうしたのかしら…」



運転席に座り、お尻をシートにフィットさせながら言う母親を、後部座席から睨む。

助手席に座らないのは、母親の体がデカくて狭いから。

問題はハゲてるだけの、細身の父親の隣には、ゆったりと座れるけど。

どうして結婚してから、30キロも増えたか訊いてみたい。
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