好きと言えない。―悪魔と恋―【完】

仕方ないから、一瞬だけ。

触れるだけのキスだけ許した。



「ちょッ…も…っ…！(笑)」



なのに、“一回”とは言ってなかったせいか、繰り返し繰り返し、キスをされる。

こんななら、普通にキスする。

私は歩斗の頬を両手で包み、唇を重ねた。



「ンぁッ――…」



奥までしっかりと絡まる舌に、いつも以上に恥ずかしく、呼吸が荒れる。

…赤ちゃんがビックリしちゃうよっ！！

なんて。

心の中で呟いても、通じるわけないか。

私は歩斗が満足するまで、キスに付き合ってあげた。



「はぁ…はぁ…」



調子に乗ってたら、酸欠になったけど。