好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「本職は美容師です!」



「…は?」



真面目に言ってるのに、“何、言ってんだ?”と言わんばかりの顔をされた。

何で重要な事は聞かされてないんでしょうか?



「お前、本当に美容師なのか?」



「ネイル検定は在学中に、通信と独学で練習して取りました」



「道理で髪型のセットも上手かったんだな…馬鹿なくせに」



…ん?

最後に聞き捨てならないセリフが聞こえたような…。

横目で睨むと、歩斗は「また来週か再来週に」と店を出た。

…悪魔の野郎…。

店長たちに、頭を下げて追い掛ける。
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