好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「就職して、店舗スタッフの管理なんて、宝の持ち腐れじゃないのか?」



「それは歩斗もだよ。伊吹お兄ちゃんより上手かったのに」



「それは聞き捨て…黙ります;;」



KYな伊吹お兄ちゃんにネイルを見せて黙らせた。

歩斗を見ると、「楽しいから良い」と、言ってる。



「本当に?本当は、私と一緒で他の部課が良かったんじゃない?」



ただ、冗談のつもりだった。

なのに、いかにも“図星”って顔で私を見た。



「まさか、当たり…?」



「まぁ。本当は研修を積んで、店長になれたらラッキーだった。けど、ある店の店長に、“さすが本社の人。俺より上手い!”って言われて、今の仕事も良いなって」



歩斗の横顔が、輝いて見えた。

この人、昔から凄かったんだって思った。



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