好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
「結香ちゃん、来るって?」



「うん。明日は休みだから、お泊まりセットも持って来るって(笑)」



これはサプライズにしておこう。

私はニヤニヤとし、冷蔵庫にあったイカを炙る。

ネイルよりも恐ろしい結香さん。

伊吹お兄ちゃんが飲み過ぎたら、お尻を叩かれそうだ。

ーーピンポーンッ

近所のアパートに1人暮らししてる結香さんはすぐに来た。

「はーい!」と、玄関までドシドシと走る母親の背中を見てから、イカを運んだ。

歩斗の隣に座ると、頬をほんのりと赤く染めて、私を見て来た。



「特別ゲストが来るよっ」



「ひまより巨乳な美人か?」



…悪魔さん。

イジメないでくれますか。
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