赤い糸―運命のヒト―



そんなあたしに今日も懲りずに話し掛けてくるのは、隣の席の夏樹君。



「なぁなぁ~最近、空ちゃん元気なくねー?」



「別に。普通。」



さりげなくあたしの肩を抱いてくる夏樹君の手を大袈裟に振り払い、素っ気なく答える。



「嘘つけ~俺、空ちゃんのこと好きだからわかるし。」



夏樹君は『好き』という言葉を軽々しく口にする。



大してあたしのこと好きでもないくせに。



前に本気とかなんとか言ってたけど、本当に本気で好きなら、そんな簡単にその二文字を口にはできない。



少なくともあたしはそうだから…――






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