ちょっと危険な童話① 赤ずきん
「…お、おばあちゃんはどこ?」
「あぁ、ちょっと散歩に行ってくるってよ」
「うそ!!だって、今日はあたしが来る予定だったんだもの。勝手にどこかへ行くはずないわ」
とにかく、早くここから逃げなきゃ…!!
何か危険なモノを感じた赤ずきんは、ベッドから出ようとした。
―――が、オオカミに腕を掴まれ、またベッドの中へと逆戻りしてしまった。
「…待てよ」
真剣な顔でオオカミはそう言った。
オオカミの顔はかっこよかったので、赤ずきんは一瞬ドキッとしてしまった。
「あ、あなたは…誰、なの?」
「そうか、お前、俺のこと知らねぇのか」
そう言いながら赤ずきんをおおうようにして、オオカミが上に来た。
そして、赤ずきんの耳元でぼそっとつぶやいた。