罪を憎んで…明日の章…
もう彼が…、実さんが、宮田なんだ…。

明日香は、バッグの中の果物ナイフをそっと触れた。

お姉ちゃんを…死に追いやった…元凶が…私の目の前に…居る…。

明日香の手は果物ナイフを強く、強く握りバッグの中で震えていた。

「明日香ちゃん。」

はっ! と我に返って明日香は、「はい?」と返事をして前を見た。

「はぐれそうだから」と。実が右手を伸ばしていた。

明日香は、ナイフから手を放して、実の手を取った。

「それで、どこ行こうか?」
「え〜と…場所はよくわからないんですけど、友達がおいしい蕎麦屋さんが来てるって…」

「そば?そばって…麺の蕎麦?」

「そうですねぇ〜」

「酒まつりに関係あるの?」
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