罪を憎んで…明日の章…
「まぁ…あと、30分くらいは時間あるから…」

と言うと、医者たちは病室を後にした。

――、私は…、

明日香は、そっと実の傍に近寄ると、「お姉ちゃん…ゴメン…私…」と呟いた。

そして、顔を実の顔に近づけた。

明日香と実の唇が重なる。

明日香の目から零れる涙が実の頬を伝って、枕が濡れた。

私は――、

宮田を許せた訳じゃない…

実さんが、宮田じゃないと思い込もうと決めた。

姉を裏切った――、

この時ならまだ引き返せたのかも知れない…。

実さんを…彼を…刺してしまうことも…なかったかも知れない…。
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