青い星と青虫と

市狼が地面に手をつき、阿狼が空に手をかざす。
そして2人で呪文のような言葉を口ずさみ、突然足元が空中になる。


「えっ!!うそっ
きゃぁーーーーーーー落ちちゃうよぉ!」


「目をつぶらないで!開けて私の手を掴んで。」



阿狼の声に小夜は手をのばした。
3人手をつないだ状態で、地面に激突かと思ったらふわりと着地したのだった。



「何なの・・・。」


「ここが、君の故郷。ルナドルートさ。
そして、これが王宮のメインの部分。」




「廃墟だわ・・・。」



「ああ。ここから戦いが始まったからね。
ここがいきなり大爆発を起こして、王族とその親戚、使用人はほとんど死んでしまった。」



「私はそのとき王宮にいなかった・・・。」



「そうです。
妖精数名と鳥妖怪たちを伴って、あの丘の上におられました。
薄々ご自分の身の危険を予知されていたのかもしれません。

私たちは迂闊でした。
王族の王子たちが反乱分子となるなどと思っていませんでしたので、王宮の危険予知を怠ってしまいました。」



阿狼がそこまで話したときだった。
大人の像くらいの大きさの恐竜2頭がすごい勢いでこちらに突っ込んで走ってくるのが見えた。


「里帰りにハデなお出迎えだな。」



「阿狼は姫を守って。
あいつらまとめて、僕がぶったおしてやる!」
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