everlasting love~幾星霜の果て


途端に、体育館じゅうが騒がしくなり、女子たちの黄色い声が飛び交い始めた。




「頑張ってね、瑠衣」




俺の前に演奏した先輩が、すれ違いざまに声をかけていく。



ステージに歩み出て一礼したあと、まだ少しぬくもりのあるイスに腰を下ろす。




「瑠衣ーっ」




……あのバカ。



俺の名前を呼ぶ女の子たちの声にまぎれて、慶太の野太い歓声がひどく目立った。

呆れたように、自分のクラスのほうに視線を向ける。



慶太がヘラヘラ笑いながら大きく手を振る少し後ろのほうに、

退屈そうにあくびをしている蜂谷の姿が見えた。




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