Kiss
「何もわかってないね」
「わかってるよ。」
目を伏せて呟いた、貴女の最後の一言
「忘れないでね・・・」
「・・・・・。」
顔を上げた時には、背を向け去って行く彼女の後姿しか見えなくて。
光の中に白く消えて、このまま会えなくなるんじゃないかと思った。
既に後悔してる自分が居る。
馬鹿馬鹿しい感情をおし殺して、奇麗事の世界に生きる様な人間じゃ、なかったはずなのにな。
幸せを願い、ただひたすら与えるだけの愛が、真実の愛だと思い込んでいた。