彼×私×彼女の事情
海鮮丼を出してくれた。
サーモン、マグロ、ハマチにウニ、いくらが輝いてる。特上だ。
しかも、私とお義母さんはレディースサイズみたいで一回り器が小さい。
食べる時間からサイズまで完璧におもてなしされてる。これがお義母さんの凄さなんだ。改めて偉大さと敗北感を味わってしまった。
「母さん、大将のところにこんなお洒落なもんあったか?」
お義父さんが横に座ってるお義母さんに食べながら不思議そうに話し掛ける。
「無いですよ。あそこは握りばっかりですから」
「じゃ、これどこの?」
「大将のですよ。大将に今日、可愛らしい女の子が来てるから女の子が喜ぶようなネタでお願いしますって言った海鮮丼になったの」
「ほぅぉ〜大将もやるなぁ~」
どうやらお義父さんは納得したようだ。
「ありがとうございます。本当に美味しい。味もなんですがネタの口当たりというか入れた時のバランスもよくて幸せです」
「下手なレポーターみたいよ。美樹さんたら面白い」
最初は嫌みかと思ったがいつもと違う笑顔でお義母さんが笑っている。
3人で笑えた。
これはきっと幸せな時間なんだ。続かせないと。続かせなきゃいけないんだと思った。