彼×私×彼女の事情

あれから時間は何時間も進み、23時になろうとしていた。お風呂も入ったし掃除も完璧。後は連絡待ち。仕事大変だな。研究が仕事だから帰りたい時間でも内容によっては帰れない。全く理解できないわけではないが会いたい。声聞きたい。携帯を片手にベットで体をバタバタさせて欲求を拡散させていた。


こればっかりはいくつ年をとろうと関係ない永遠の悩み。


俊の笑顔を思い出すだけで胸がキュンとなる。顔がニヤける。そしてデートや今後の展開を想像してまたニヤける。今すごくだらしない顔をしていると思うがなかなかなおらない。こんなひとときが幸せだ。


メールの催促はやめよう。いい女でいたい。私はインターネットつけてコンサートの予習。そして日用品の発注。


1人暮らしの働く女性にとってインターネットショッピングは必需品。近くのドラックストアーで特売品あっても仕事で行くことが出来ない。しかもまとめて買うと重くて一人で持って帰るのは一苦労。


だったら安くて家まで配達してくれるインターネットショッピングを利用してしまう。まとめて購入するから送料は無料だしお届け日と時間指定までできる便利な時代になったもんだと改めて実感する。今の子達から私たちの昔は想像できないだろうな。今の現実を私たちが想像できなかったみたいに。


そんなことを思っていると携帯の着信音がなった。ビートルズの曲イコール俊くん。長さ的にメール。それでも待っていたからうれしい。


「もう遅いからやめとくね。また明日。お休みなさい」


えっ?それだけ?メールの内容を見てビックリした。こっちは話したい内容たくさんあったし会えない寂しさをつのらせているのに声ぐらい聞かせて。


「仕事お疲れ様。無理しないでいいからゆっくり休んでね。お願いがあるんだけど明日の朝5分でいいからあえないかな?どうしても渡したいものがあるんだ」


結局正直な気持ちを抑えて大人のいい女を演じた。


俊からは即OKの返事。朝、出勤するときによってくれるそうだ。


明日の朝、最高の笑顔で俊に会えますようにと願いを込め、悶々とする気持ちを押し殺して寝ることにした。
< 81 / 171 >

この作品をシェア

pagetop