【完】素直
教室へ戻る途中、花枝と喋っていた。
「あれって、優斗さんだよね?」
「う、うん」
「ビックリしたよね」
「ホントにね。朝、楽しみにしててって言われたんだけど、このとことだったんだ…」
そうこうしているうちに、教室についた。
『愛華、兄貴のこと知ってた?』
「知らなかった…。え、てか、湊も知らなかったの?」
『あぁ…』

その後先生と優兄が入ってきた。
はい、女子がキャーキャーうるさいです。
あたしと花枝は耳を塞ぐ。
花枝は騒がないのかって?
だって花枝は優兄に結構会ったことがある、普通の反応。
「みなさん、今日から3週間よろしくお願いしますね」
「よろしくお願いしま~す」
女子は高い声を出しています…。
ほんと女子って怖いですね(笑)
あたしはボーっと外を眺めていた。
「谷本さん、谷本さん」
「へ、はい!」
「先生の話、ちゃんと聞いて下さいね。罰として放課後残って雑用頼んでいいですか?もちろん僕も手伝いますから」
営業スマイル――!
「は、い」
くっそー、優兄め!
周りからはずるい―という声が飛び交っています…。
変わってあげようか?


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