ただ 好きで


「あぁ。」


綮は面倒臭そうに返事をして長広いテーブルに着く。


「みんな下がっていい。」

「「はい。」」

その一言でみんながズラズラと出ていく。





「やっぱあの空気 無理だな。」

綮はやっと落ち着いた様子でうなだれながら食事に手をつけた

「綮も大変だよね…。財閥の一人息子だからって冷静沈着。文武両道をまっとうしなきゃいけないんだし」


「あぁ、本当に。家の中でも好きに行動できないしな」


「えへへっ♪私がいて良かったね!!」


「調子のりすぎだっつーの」


「それより早く 学校行かなきゃ。新入生代表の言葉の前に理事長と会うんだよね?」

「あぁ。でも、あの理事長 金目当てなのが見え見えで疲れるよ…」

「可哀想な綮君はそんな理事長にも媚を売らなければならないのでした♪」

「お前…完全におちょくってるだろ?」

「アハハ。 バレた?」

「お前が同じ高校だと思うと先が思いやられるよな…」






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