鈍感彼女


「ごめんな、笹山...」


俺は笹山をそっと抱き締めた


「斗真君...ごめんね...わがままで...あたし...」


「...斗真」


「え...?」


笹山が顔を上げる


その顔は寂しげで...


胸がきゅっと締め付けられた


「斗真って呼べ」


「でも...」


「お前は特別」


俺がコイツを守ってやりて...


そう思うのは...やっぱり好きだからか?


「違う...」


「なんて...?」


「や、なんでもない」


つい呟いてしまう


違う...


俺はコイツを好きなわけねえ...


そうだよ


これは遊びなんだよ...


俺が本気になるわけねえ


そう思っても...


俺は笹山のか細い体を抱き締めた


折れそうだけどな









< 16 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop