終焉の夜明け




里緒のこんな内容のメールは
今に始まったことじゃない。





前から里緒は独りが嫌いだった。

アタシも独りは嫌いだから、って
利害一致で一緒にいるようになり

今では唯一の親友を名乗りあう。





だから、だ。




里緒はアタシにいつだって
助けを求めて手を伸ばす。



握れないときもあると里緒は
理解してくれてはいるけれど





「……っ、」


「どした?」


「なんでも、ない。
飛鳥、残さず食べなよ」


「腹苦しい」




目の前で弁当の蓋を閉じる
飛鳥にデコピンを与えて、

アタシは再びケータイを睨む。







……また、切りやがった。


< 117 / 143 >

この作品をシェア

pagetop