極上シークレット

舞台袖で悩んでいるうちに、出番のメロディー。




ナムサン。




胸で十字を切りながら、そんな呪文を唱えて、アタシはライトの下へ駆けだした。






ええっと、インパクト!







タンッ―――

側転、倒立前転――――

勢いよくマイクを宙に投げ放って





バク転!


着地と共にマイク背面キャッチ♪





一瞬遅れて歓声があがった。




兄ぃをチラッと伺うとオッケーというようにウィンク。







母上様、ありがとう。




先生と喧嘩して三カ月で辞めちゃった新体操がようやく日の目を見たわ・・・。
< 126 / 312 >

この作品をシェア

pagetop