君 距 離 〜キミキョリ〜
第1章

*消セナイ想イ*




気が付くと、カーテンの隙間から太陽の光が差し込んでいた。

外では、蝉の鳴き声が飛び交っている。

ワタシは、その鳴き声で目が覚めた。

こんなに朝早くから、よく鳴ける…。

ふと、ベッドの横の時計に目をやった。

針は“8”と“3”を指している。


「……げっ!」


8時15分……。

最悪…。


「寝坊したぁーっ!!!」


叫んでみるものの、あまり急いでいない。

ワタシにとって、この時間は日常茶飯事。

本当は、慌てなくてはいけないのだが…。


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