『若恋』榊の恋【完】



持っていたタオルでひかるちゃんの髪を拭こうとして、首筋の白さとうなじの細さにドキリとした。


白く細い。


「?…どうしたの榊さん」

「いえ、別に」


ひかるちゃんが風呂上がりに髪をきちんと乾かさないままいることだって多かったのに、今反応してることもなんでなのかわからない。

タオルでそっとひかるちゃんの髪を包み、高い位置でひとまとめにしてりおさんからの花の髪飾りを差した。



「とても可愛いですよ」

「榊さんが上手に結ってくれたからだよ」

「元がいいからですよ」


告げるとひかるちゃんはちょっと顔を赤くして破顔した。


「ひかるちゃんは浴衣ひとりで着れますか?」

「え、と。無理かな」

「では、わたしが着せますから浴衣を羽織って」



えっ?



ひかるちゃんが一瞬固まった。



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