『若恋』榊の恋【完】



ゴム毬のように五メートルも高く空中を飛び、車道の真ん中近くに撥ね飛ばされた。



手足は捻れ路面に叩きつけられる。



裂けた服や皮膚から。

小さな唇から。

頭から。

耳から。


滲み出てくる赤黒い液体が里桜の体を染めていく。









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