『若恋』榊の恋【完】




「やり直しできるならもうしてる」

「先生、お願い。このままわたしを帰して」

「帰すわけにはいかない。俺は俺の人生のカタをつける」



そう言って取り出したものは一振りの刀。

どこにあったのか先生の左手に握られていた。







「…先生…それで榊さんを殺すの?」






わたしの震える声を聞いて先生は笑った。





―――狂ってる





狂ってる!






< 281 / 440 >

この作品をシェア

pagetop